ベクトラ購入に至るまで

<クロノスの危機(2004.01)>

12年も我が家のファーストカーだったマツダ・クロノスですが、故障が目立ってひどくなってきました。
4年前に大金をはたいて全て交換したラッシュアジャスター(エンジンのカムシャフトとバルブの油圧調整機構です)は、交換後1年ほどでまた不良となり、ディーゼル車も真っ青な盛大なガラガラ音をたてるようになってきました。
パーツ代だけでも3千円×24個=?!に加え、手の届きにくいV6エンジンのヘッドをバラすという作業工賃もバカにならなかったと言うのに・・・
ウォーターポンプも「キーキー」と不気味な音を出してましたし、添加剤でごまかしていたATオイルと冷却水の漏れも止まらなくなってきました。
これらを全て修理すると、軽自動車が買えてしまいます。

おまけに今度の転勤先は、あちらこちらの営業所を回ることが多く、交通の便が悪いところは、自家用車を使うことが多いとか・・・。
いつ立ち往生しても不思議でないこんなクルマでは、仕事にも支障がでます。

「もはや、これまで」と、買い換えを決意しました。

<クロノスはどんなクルマだった?>

クロノスは故障さえなければ、まだまだ乗りたいほど気に入ってました。

  1. 何といっても、ちっとも古さを感じない国産車離れした優雅なスタイル
  2. 広い室内と大きなガラスエリアで、低い車高にもかかわらず、運転席の見晴らしは最高
  3. 標準のシートは出来が良くて、長時間走行でも疲れない
  4. 2500cc V6 DOHC 24バルブ 200psエンジンの胸のすく加速感
  5. FFの安定した走行性能は、堤防の荒れた路面でも安心して走行できる
  6. 広いトランクにトランクスルー機構のおかげで、畳だって積めてしまうワゴン並みの搭載性

しかし、欠点も多かった

  1. 3ナンバーサイズなのに車重は1200kg少々しかなく、ボディはかなり柔い。高速道路のコーナーで、ボディがグニャグニャ捻れるのを肌で感じてしまうほど。
  2. ボディの柔らかさに加えて、エアバックも装着されていない。こんなクルマで安全性の高い最新のクルマと衝突すれば、間違いなくこちらの乗員の方が危険!
  3. 何よりも故障の多さ。これまでに支払った修理代は40万円以上!
<今度はどんなクルマにする?>

クロノスの良さは、できるだけ踏襲したかった。よって、次の条件を満たすクルマを購入対象に検討しました。

  1. 排気量は余裕のある2500cc超で、振動が少なくスムーズに吹けあがる6気筒エンジンであること。
  2. 雪道に強く、高速でも安定感のあるFFであること。
  3. 4ドアで、室内もトランクも広いこと。でも、RVやミニバンには興味なし。
  4. 長距離を運転しても疲れないこと。
  5. ブレーキ性能を含めて、足回りがしっかりしていて安心して飛ばせること。
  6. 最低でも運転席と助手席にはエアバッグが装備されて、安全性が保たれていること。
  7. スタイルが良いこと(不細工なクルマではないこと)
  8. 問題は軍資金。予算はなんと100万円少々と、かなり厳しい条件
<候補はあったか?>

<候補その1 マツダのミレーニア>

スタイル、エンジン、などなど・・・ほぼ全ての面で条件を満たしている。特にスタイルは完全にこちらの方が上。とっても欲しいクルマだった。

しかし問題は、設計が古いこと。
フロントマスクは、この「おちょぼ口」の初期型が気に入っているのだが、この型はクロノスと同時期の設計なので、やはりボディ剛性が弱い。
エンジンも基本的にクロノスと全く同じため、クロノスと同じトラブルに見舞われ、同じ運命をたどる確率が大。


<候補その2 同じくミレーニアの後期モデル>

マイナーチェンジ版だが、ボディを補強してエンジンの耐久性を向上させるなど、初期型に比べて見えない部分にも大がかりに手が加えられた。
マツダのフラッグシップモデルであったセンティアが生産中止になったため、実質的にこのクルマがマツダの最高級車となった。このモデルであれば、安心感はかなり高いと思われる。
ただし、フロントマスクを無理矢理に最近のマツダ顔に仕立て上げたため、せっかくの優美なデザインが台無しになっている。実に惜しい。

それにしても、ミレーニアは初期型・後期型とも販売台数が少なかったので、中古車のタマ数はほとんど無い。あちらこちらの中古車屋を探し回ったが、全く見あたらず、とうとう断念した。


<候補その3 トヨタ アバロン>

もともと北米販売用だったので、アメ車のように大きなボディは余裕たっぷり。
中古車のタマ数も多く、程度は「ピンからキリまで」。しかも不人気車だったので、中古車価格はとってもお値打ち。
ただし内容的にもアメ車なので、運転する楽しさは全く期待できない。
足回りを改造すれば、少しはマシになるかも知れないが、シートもフニャフニャで長距離を走行すると、かなり腰に負担が来そうであった。何よりもどう見てもあまり格好良いクルマではない。他人に乗せてもらうには良いクルマだが、自分で運転する気になれなかったので、止めにした。


<候補その4 ミツビシ ディアマンテ>

これもボディが大きく、余裕たっぷり。
中古車のタマ数はアバロンより更に多く、価格もかなり安い。
しかし、直ぐ近所に同じクルマに乗っている人がいるのと、何よりもミツビシ特有のガンダム風の「いかつい」スタイルが、どうにも馴染めない。
我慢して乗っても、たぶん1年で嫌になってしまうだろうと思い、止めにした。


<候補その5 トヨタ ウィンダム>

トヨタらしく丁寧に作られたクルマなので、室内の広さやラグジュアリー度は申し分ない。足回りさえもう少し固めれば良い感じになりそうなクルマである。
ただし、このモデルで軍資金の範囲内に収まる中古車は、多走行なクルマばかりで、どれもあまり程度が良くなかった。
それに、販売台数が多かったこともあり、ありふれていてつまらない。
「永く乗りたいクルマ」という気には、なれなかった。


<番外編 日産 セフィーロ>

いちおう日産車も候補を探してみたが、スペック的に合うのはセフィーロしかない。
新しい方のモデルだと、スペック的に合うのは上級車になるため、まだ程度の良いタマが少ない。必然的に、候補はこんな1世代前のモデルになってしまう。

このモデルなら価格はめっぽう安いが、いかにも古くさいデザインで、ちっとも乗りたいとは思えないクルマだった。

   

<で、色々検討した結果・・・>(2004.2.14)

外車でも私の条件を満たすクルマがあることを発見。
それがこのベクトラです。
新車だと、車両価格で320万円もしますが、中古車は妙に安い。
原因は、オペルと言うメーカー名にブランド力が不足していること。
ヤナセが一時期オペルの販売に消極的になったため、不安になったユーザーが一気に離れてしまったこと。
そして、やたらと故障が多い(という評判)であること。
しか〜し。クルマ好きの私にはブランドなんて気にしないし、故障はクロノスで十分慣れっ子になってるので、全然問題なし。
小柄なので、あまり立派には見えないところが残念ですが、今どき珍しい6ライトのスタイルは悪くありません。

試乗させてもらったところ、ドイツ車らしく懐が深くて安定した足回りと高い剛性のボディ。6気筒エンジンは設計の古さも感じますが、低速からトルクがあって、とても扱いやすい。アクセルを踏み込めば「クォー」と、なかなか良いエンジン音を奏でます。
おまけに、レカロ社製の標準シートは、適度な硬さがあって長距離運転でも疲れ知らずです。
ボディはリアバンパーの下に小さな擦り傷がある以外に目立った傷は無く、艶もあってとてもキレイ。いっぺんに気に入りました。

ところで、安い外車の中古車は、往々にしてロクなものがないので注意が必要です。
しかし、ベンツやBMWのようにオーナーが転々とする中古車と違い、ベクトラは地味なモデルなので、お金持ちの奥様なんかがセカンドカーとして使用していたものが多いのです。このため、ワンオーナー車の場合、かなり程度の良いものが珍しくありません。
車検証を見せてもらうと、新車からのワンオーナーで、住所は京都府南部になってました。これなら凍結剤や海風などによる下回りのサビは心配なさそうです。禁煙車だったらしく室内はとてもキレイです。走行距離は36千キロですが、シートやドアステップの擦れ度合いから判断すると、後席はほとんど使っていなかったようで、大半は運転手が一人で運転していた感じです。
初年度登録は98年なのですが、暫く車検切れになっていたため、私が2度目の車検を通して乗ることにしました。

さて、私はわざわざ名古屋まで出かけて行って、このクルマを選んできました。
街道沿いの中古車屋さんにもベクトラは結構沢山ありましたが、やっぱり信頼できる中古車屋さんが一番安心だからです。
この中古車屋さんはオペル専門店なので、タマ数も多くて、何よりも信頼感があります。
この中古車屋さんの助言に従い、車検整備の他に、タイミングベルトとテンショナー関係、ウォーターポンプ、バッテリーを交換してもらいました。
それと、私の好みでCDチェンジャーと後席のウィンドガラスにフィルムを貼ってもらいました。

<番外編 将来は・・・>
今はとても気に入っているベクトラですが、プントで感じたイタ車の魅力も、実は忘れたくありません。

幸運にも宝くじでも当たったら(笑)、将来は是非ともこんなクルマに乗ってみたいと思ってます。アルファのフラッグシップ 166です。
このクルマは、軍資金以外は完全に私の条件を満たしている理想のクルマなんです。
先日マイナーチェンジしてフロントが変わってしまいましたが、私は以前のこちらのフロントの方が好きですね。

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