25.ステアリングの本革を張り替えました |
うちのベクトラの走行距離は5万キロを超え、あちらこちらがそれなりに古くなってきました。
なかでも、以前から気になっていたのが、ステアリングの革の擦れなんです。
中古車で購入したので、この擦れの大半は前オーナーの跡形です。
何とかしたいとずっと考えていたのですが、社外品のステアリングに交換するとエアバッグが無くなってしまうし、エアバック付きの社外品ステアリングは中古でもかなり高価です。高いお金を支払ってまで中古品を買うのもバカらしいし・・・
そんな時、インターネットでふと目に留まったのが、オーダーメイドで革を張り替えてくれるサービスがあること。
何件か探してみたところ、こちらのお店が安価に加工してくれることが分かりました。
どうしようかなぁ~と考えていると、このお店では毎月1名、モニターに当選すればお値打ちに加工してくれるではありませんか!
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ダメもとで応募したところ、何と本当にモニターに当選してしまいました!
これはもう迷うことありません。
早速申し込むことにしました。
こちらが純正のステアリングです。
一番良く触れる右手のグリップがかなり擦れてテカテカ、かつ細かいひび割れもできます。
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加工にはステアリングを外して送付する必要があります。
加工は10日程度を要するとのことで、その間はクルマを移動させることができないので、ベクトラをガレージに入れておくことにしました。
ステアリングを外すためには、万一エアバックが暴発しないよう安全のためにバッテリーを外す必要があります。
ところが、うちのガレージは奥に棚が張り出ているので、クルマを奥まで突っ込むと、ボンネットが開けられないのです。つまり、バッテリーを外すことができません。
そこで、バッテリーを外してから手でクルマを押してしてガレージの奥に移動させることにしました。
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でも、エンジンを停止させてキーを抜くと、ATをニュートラルの位置に動かせません。
そこで取扱説明書に従って、上の写真のようにATシフトのコンソールのフタを外して、シフトロックを解除します。
左の写真に見える「黄色いプラスチック」部分がロックを解除するレバーです。
これをマイナスドライバーで下に押すと、シフトロックが解除できます。
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ベクトラの場合、バッテリーを外す前に、エンジンをかけてエアコンを暖房にして吹き出し位置を「足下」にセットしておかないとダメなんです。
エアコンのヒーターケースには暖気と冷機を分ける為の電動フラップがあるのですが、バッテリーを外した後で再度通電させると、モーターがフラップの位置を誤認して動いてしまい、運が悪いとモーターの力でフラップのジョイントを割ってしまことがあるそうです。
この知識は、いつもお世話になっているオペリストの掲示板から頂きました。
エアバッグは2本のボルトで留まっています。左は、ステアリングを裏から見た写真ですが、このトルクスのボルトを外します。
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エアバックを外すと、こんな感じになってます。ボスの部分に穴が開いていて、コネクターが出ていますね。
コネクターの先は、エアバッグ(黄色い配線)と、ホーンとオーディオコントロールの配線に繋がっています。
最初はこのボスの部分のコネクターを外せば良いと思ったのですが、どうしても外れません。
どうやら、エアバッグ側のコネクターを外すのが正解のようでした。
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ということで、エアバック側のコネクターを慎重に外しました。
最初に、コネクターの押さえのピンを抜いて、それからコネクターを外す仕組みになっていました。
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これが外したエアバックです。
けっこうズシリと重いので、うっかり落とさないように慎重に取り扱います。
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次にステアリングシャフトのナットを外します。
国産車の場合、だいたい21mmか23mmのナットなので、ホイール用の十字レンチがちょうど使えます。ところがベクトラは、なんと22mmという中途半端なサイズです。
22mmって、ありそうでないサイズなんですよね。
ラチェットレンチのセットも21mmまでしかサイズがありません。
そこで工具箱を探してみたら、以前にホームセンターの特価品で購入しておいたメガネレンチセットにありました。ステアリングの奥側からレンチを差し入れて緩めます。
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さて、ここからが一番の難関。ステアリングを力まかせに引き抜きます。
しかし、これが実に固い!!
CRCを吹きかけて、何度も叩いたり、ゆすったり、引っ張ったりするのですが、ビクともしません。これまで何度か国産車のステアリングを交換してきましたが、こんなに頑固なのは初めてです。
最後はとうとうステアリングの裏側にウエスを当てて、ハンマーでガンガン叩いてようやく外れました。でもこれはあまり良くありませんね。下手をするとシャフトを傷付けてしまいますので、ヤナセに持っていってプーラーなどの専用工具で外してもらうのが正解でしょうね。
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ようやくステアリングを取り外しました。
このように、エアバックとオーディオコントロルなどの配線がコラム側に残るのですね。
ちょっと変な仕組みです。
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ステアリングを加工するには、余分な付属品はできるだけ外して送付して欲しい。
とのことでしたので、ホーンボタンとオーディオコントロールスイッチ部分も取り外しました。
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これが取り外したステアリングです。
この写真は、まだホーンボタンとオーディオコントロールスイッチを取り外す前のものです。
加工の仕様については、ステアリングを送付する前からお店の方と何度もメールで相談しましたが、とても親切に回答して頂き、また色々とアドバイスももらいました。
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さて、ステアリンクを宅配便で送付してから、ちょうど10日で完成して戻ってきました。
箱を開けると、待望の一瞬です。
おおっ! 想像以上に良いじゃないですか!
元の革を剥がして、1mm厚のウレタンを巻いた上に新しい革を張ってもらいましたので、ご覧のように握りが少し太くなりました。数値上では、おそらくほんの少し太くなっただけだと思うのですが、握ってみると全く違います。
これこれ、この太さ、この感触が欲しかったのです!
固くてツルツルでテカテカだった元のステアリングとは全く違い、握りも手触りも格段に柔らかくなって、とっても良い感じです!
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太さは変わりましたが、ノーマルのステアリングの裏側のデコボコは、このようにそのまま活かされてます。
ベクトラのステアリング操作はかなり重いので、このデコボコがありがたいのですよね~。
またまた感激です!
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裏側からみても、このように全く違和感がないですね。
まさに「純正オプション品」といった感じです。
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革は、同じ黒色ながら、ノーマルとディンプルの2種類のコンビにしてもらいました。
また、ステッチは少しだけお洒落して、赤色にしました。
仕様についてお店の方に色々と相談しましたが、「この組み合わせが一番人気あります」との話しでした。 なるほど、やっぱりこれが正解ですね。
ベクトラのステアリングには、スポークの少し上に小さいながら「こぶ」があります。こうやってみると、「こぶ」やスポークの部分はけっこう複雑な形をしているんですね。でも、ちゃんとうまく処理してあります。さすがにプロの仕事ですね。
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さて、はやる心を抑えて、いよいよ取り付けました。
取付には力が要らないので、あっと言うまに終わりました。
いや~、これは良い感じになりましたね~~!!
ステアリングは乗った瞬間に目に入るものだけに、大きく印象が変わりました。
ぐっと高級車になった感じです!!
(左の写真をクリックすると、拡大写真がみられます)
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横から見ると、ノーマルより握が太くなっているのが良く分かりますね。
握りが太くて柔らかくなり、革がしっとり手に馴染むので、明らかにステアリング操作が楽になりました。
(左の写真をクリックすると、拡大写真がみられます)
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今までは、国産車に比べると「かなり重い」ステアリングでしたが、これで「ちょっと重い」程度になりました。ステアリングの仕様だけでこんなフィーリングが変わるとは驚きです。
以前のステアリンクは、かなりツルツル・テカテカになっていたので、知らず知らずのうちに、グリップに力を入れて握っていたのでしょうね。グリップが良くなったおかけで、ステアリングを握るのに余分な力が要らないので、疲れなくなりました。
(左の写真をクリックすると、拡大写真がみられます)
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握りの部分はこんな感じです。
このディンプル加工された革は、しっとりとした感触で手に馴染みます。
一方、上下のノーマル革は、さらっとした感触です。
同じ革でも、こんなに感触が違うんですね。面白いです。
いや~~っ、これは良い買い物でした。
(左の写真をクリックすると、拡大写真がみられます)
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余談ですが、ベクトラのステアリングを外すには、このようなトルクスのビットが要ります。
エアバックのボルトの他、オーディオコントロールスイッチを外すのにも必要です。
もともとは、プントの整備用に購入した安物なんですが、けっこう役に立ちました。
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