2023年02月26日

558. ちょい古ジャガーのオイルを考察

僕は先日、XEにモチュールの「8100 X-Cess 5W40」というエンジンオイルを入れました。

モチュールと言えば、泣く子も黙る??高性能ブランドなので、安心して使用していますが、寒冷時や低速走行時に少し回転の「重さ」を感じます。
アイドリング時のエンジン振動が大きくなった気がするのと、主に1500rpm以下でアクセルレスポンスが少し鈍くなった印象です。
それより上のエンジン回転域や高速走行時は全く問題ありませんが、正直、オイルの規格に対する考慮が足らなかった気がしてきました。(汗)

僕のXEは、最新ジャガーの「インジニウムエンジン」ではなく、フォード傘下だった頃の名残で「エコブースト」エンジンを積んでいます。
「インジニウムエンジン」は、パワーと省燃費を両立させた、最新技術で設計された高性能エンジンです。適合オイルは、ジャガー・ランドローバーのアプルーバル(推奨規格)である「STJLR.03.5006」または「STJLR.51.5122」となっていて、粘度は「SAE 0W-20」です。

しかし僕の「エコブースト」のアプルーバルは「STJLR.03.5003」で、粘度は「5W-30」です。
アプルーバルの表示だけ見ても具体的なオイルの規格は不明なので、この「STJLR.03.5003」を取得しているオイルを調べて、そこから逆に規格を調べてみました。

「STJLR.03.5003」5W-30 で検索すると(主に海外のサイト)、ざっと次のオイルが見つかりました。

① RAVENOL J1-A1570

API :SL/CF
ACEA:A5/B5,A7/B7
価格:4Lで 47,694円!(密林)ひえ~っ買えない!

LIQUI MOLY スペシャルテックF

ACEA:A5/B5
価格:5Lで 12,100円!(ヤフオク)

Westway Lubricants (英国)

API :SL/CF
ACEA:A5/B5
価格:6Lで 33ユーロ(日本への発送不可)

④ CASTROL EDGE PROFESSIONAL A5

API :SN
ACEA:A1/B1,A5/B5

⑤ Fuchs Titan Eco DT

API :SL
ACEA:A5/B5
価格:1LでUS $13.00(ebay)

⑥ Motul 8100 Eco-Nergy

API :SL
ACEA:A1/B1,A5/B5

⑦ Shell Helix Ultra Professional AF

API :SL
ACEA:A5/B5

⑧ Millers Oils EE Performance ECO

API :SL/CF
ACEA:A1/B1,A5/B5

⑨ Valvoline SynPower FE

API :SL/CF
ACEA:A1/B1,A5/B5

⑩ Total Quartz 9000 NFC

API :SL/CF
ACEA:A5/B5


ということで、僕のXEは、ACEAが「A5/B5」(贅沢するなら「A7/B7」)であれば良いことが分かりました。ちなみにこれらのオイルはAPIの規格(SL/CF)も取得していますが、ACEA規格の方が高基準なのでAPI規格は参考程度に留めることにします。

次にACEA規格について調べてみました。
僕はこちらのサイトの説明で勉強しました。大変参考になりました。ありがとうございました。

ACEAの規格は、① HTHS粘度 ② SAPS量 ③ 直噴ターボエンジン用のLSPI・チェーン摩耗対策等 の3つで分類されているそうです。

② SAPS量とは、リン分や硫黄分などのことです。これが多いほどエンジンの耐摩耗に強いのですが、デメリットとして触媒を詰まらせる要因になります。
XEの「STJLR.03.5003」のACEAは、SAPS量を抑えた「C2」「C3」などの規格ではないことから、SAPS量は特に注意する必要はないと推察します。

XEは直噴ターボなので、③ は気になるところですが、これは最近になって追加された基準で、最新の「A7/B7」しか該当しない規格なので、ちょい古のXEには関係無かったことにします。(笑)

一番気にしなければいけないのは、① HTHS粘度 です。
HTHS粘度は、高いほど油膜が厚くてエンジン保護に優れていますが、その分燃費が落ちます。こちらのサイトの説明によると、「A5/B5」指定車に粘度がより高い「A3/B4」を入れると、燃費が1%程度落ちるそうです。でも、それ以外は問題ないとのことです。

正しくうちのXEはこのケースですね。
しかも「5W-30」が推奨なのに「5W-40」を入れたので、余計に低速が重くなってしまいました。(汗)

次回オイル交換時は、ACEA規格と粘度をちゃんと守ることにします。

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この記事へのコメント

2023年2月26日 18:08
最近のエンジンはタイミングチェーンに戻っているので距離を走る方はILSAC規格で言うGF-6が必須ですね。
エコエンジンのために軽量化されたタイミングチェーンは伸びやすく、10万キロ持たずしてユニット交換になり、これならタイミングベルトの方が交換費用が安いのでメリットとしてどうかな?と思っています。
コメントへの返答
2023年2月26日 23:27
こんばんは。

僕の稚拙な考察に、貴重なコメントありがとうございます!
今まではAPI規格くらいしか意識していなかったので、今頃になってACE規格を調べて色々と納得して、嬉しくなった次第です。(冷汗)
そんな僕なので、恥ずかしながらILSAC規格のことは全く知らなくて、慌てて調べてみました。(大汗)
直噴エンジンで発生した「すす」がエンジンオイルに混入するとタイミングチェーンを摩耗させるので、その防止性能を評価したのが「GF-6」という規格なんですね。勉強になりました。(嬉)
それにしても、タイミングベルトの耐久性問題で復活したチェーンが、10万キロで交換を迫られるなんて、ホント本末転倒ですよね~
直噴エンジンは燃費や出力の性能は良いことづくめですが、その性能を持続させるためには、色んな注意が必要なんですね~
う~ん。勉強になります!
ありがとうございました!
2023年2月27日 0:37
オイルって難しいですよね。その人の思いもありますし使い方もあますし使ってみないと分からないことだらけです。
今までメーカー推奨は全く無視して使っていましたが、言えることは3ヶ月で変える方は全く問題ないのですがそれ以上ですと耐久性的にベースオイルが全てなんてすよ。
只今3台所有の車は推奨は違いますが全て5w-40の粘度!面倒なのでこれをひとつのオイルでまかなえないかと候補を選んでいます。
サーキットを卒業しましたので高価なオイル以外で耐久性のあるとなるとメーカー系がマストになります。
恐らくシェル系の天然ガス由来のオイル(並行輸入系)がコストパフォーマンスが1番良さそうと考えています。
自分で交換していますので既存の在庫がありまして全て同じにするには後1年掛かりますが😅
普通に使うのでしたらメーカー系でサーキットを走るならブレンダー系となるのはいつの時代も変わりませんね。



コメントへの返答
2023年2月27日 16:52
こんにちは。

オイルって、本当に拘りだすと、どんどん深くなっていきそうですね。

僕は数年前から自分でオイル交換することが無くなったら、銘柄や性能なんて相談することもなくディーラーさんにお任せになってしまいました。(汗)
自分でオイル交換していた頃は、それなりに拘っていた(主に価格とコスパですが。。。笑)のですが、その頃はまだ「100%化学合成が良い」「鉱物油の方が良い」「両方の良いとこ取りをした半合成が一番」なんてレベルの議論でした。
なので、モチュールやYACCOなどの高級ブランドを入れようものなら、細かい性能なんて関係なく、フラシーボ効果で「性能が上がったな~」と感じていたものでした。(大笑)
それがいつの間にか、「高性能ターボ車でも、0W-20なんて粘度が当たり前」になり、さらに「触媒を痛めない成分」や、今回教えて頂いた「タイミングチェーンの耐久性」などが焦点になってきて、いつの間にか知識が時代遅れになっていました。(大汗)

そんな細かい話を知り尽くした上で、一周回って一般走行レベルで選ぶなら、耐久性重視でメーカー系がマストなのですか! 参考になります!

おクルマを複数台所有している場合、オイルが統一できれば20Lペール缶を購入できるので、とても便利かつお値打ちですよね。
ただ、最近のクルマは、重量増と巨大なアンダーカバーのおかげで、DIYでの交換は難易度が高くなってきたので、僕はとうとう諦めてしまいました。(泣)

また、色々教えてください!
2023年2月28日 0:40
以前、KTM 690DUKEの事故修理をショップに一任したら、MOTUL(7100 10W60)が使ってあり、バイクショップの信頼も高い様でした。
それまで10W50を使っていたのに比べ、オイルの減りが明らかに少なくなって、高温時粘度が大きくオイルが固い事を実感しました。
ただ、シフトフィーリングが悪くなるまでの走行距離に差を感じなかったので、その後は少し安価なメーカー推奨オイル(MOTOREX)に戻してしまいました。(笑)
コメントへの返答
2023年2月28日 1:15
こんばんは。
コメントありがとうございます。

バイクのエンジンは1万回転以上も回るだけあって、10W-60なんて驚きの高粘度オイルを使用するんですね。それでも下は10Wなので、超ワイドレンジのオイルなのですね。凄いです!!
そんな高性能オイルでも、エンジンをガンガン回すとオイルが減っていくのですか?!
バイクのオイルはそれだけシビアな性能が求められているのですね!

そんななかで、モチュールは4輪よりも2輪用の方が評価が高いのかな?
メーカのラインナップを見てみたら、最新の省燃費オイルよりも、レースにも使える高負荷用オイルの方が種類が多い感じです。
やっぱりわが家の「街乗りXE」にモチュールは、勿体なかった気がしてきました。(大汗)